ひのひなどりから

主に宝塚について。それ以外のことも書くかもしれません。

2018年宝塚上演演目を振り返って(Part1)

年の瀬ということで、2018年の宝塚歌劇の演目と、その感想を振り返ろうと思います。

別箱は観に行っていない公演も多々ありますが、自分が何をどのくらい観に行ったのかの記録代わりにもしたいので、全公演リストアップします。

なお私が東宝組のため、本公演は東京での公演期間に合わせます。

さぁ、まいりましょー

 

ひかりふる路(みち) 〜革命家、マクシミリアン・ロベスピエール〜』

『SUPER VOYAGER!』-希望の海へ-

雪組 宝塚大劇場:2017年11月10日(金)~12月15日(金)

   東京宝塚劇場:2018年1月2日(火)~2月11日(日)

ライビュ合わせて5,6回ほど観劇。

年始めから衝撃の一言でした。

私的に宝塚歌劇で最も感動した演目ベスト1,2を争う作品です。(もう1作はグランドホテル)

お披露目公演、更にフランク・ワイルドホーン氏の楽曲書き下ろしということで、

嬉しいながらもトップコンビのプレッシャーいかばかりか…と思っていましたが、

そんな心配も吹き飛ばすような素晴らしい歌声、凄まじい演技に圧倒されました。

感動して涙が…というよりは、凄まじさのあまりアワワワ…となっていたら幕が降りた…という感覚。初観劇は立ち見だったのですが、謎の汗をかいて軽く脱水症状らしきものになりました(無事にショーまで見れましたが!)

 

望海風斗さんのパワーが凄まじく、どんどん追い詰められていく様が鬼気迫っていて、だいもんメンタル的に大丈夫なの…とまで思いましたが、舞台裏では粛清の名のもとにナース服着させられて遊ばれていたと知り、舞台人って怖いなと思いました(?)

真彩希帆さんの喉の調子が悪かった時期は心配しましたが、それでもあれだけ歌える彼女、そして何よりきぃちゃんをカバーするかのように鬼のように歌う望海風斗の底力を思い知らされましたね。。

彩風咲奈さんが、あれだけのパワーを持った望海マクシムに負けじと対峙していたのも印象的です。歌も、ダントン邸でのシーンももう…ガチの喧嘩じゃん…という感じで。。

月から組替えしてきた朝美絢くんが、いきなり冒頭ソロを歌い、重要で美味しい役どころを演じていたのも嬉しかったですね。元々実力もありましたが、役のハマりっぷりが素晴らしく、絶対ファン増えただろうなと思いました(笑)

 

前年のスカピンで七海ひろき演じたロベスピエールに非常に興味が湧き、色々調べていたため、その演出補に入っていてピーター・マクフィー著の「ロベスピエール」を七海さんに薦めた生田先生なら、きっと彼の生き様をしっかり描いてくれるはず…!と思っていましたが、本当に生田先生ありがとう。。。初めて演出家にファンレターを送りました。

しかしながら、実質この感動の半分は音楽が占めていたのでは…?と冷静に思う気持ちも。

・ マクシムとマリー=アンヌの大事な会話シーンに、芝居用の台本というよりも”本に書いた文章”っぽさを感じたこと

・ロラン夫人が非常に目を引くのに、最期以外はタレーランとセット扱いでいまいち役割がないアンバランスさ

あたりが気になりました。

でもそんなのはいいの・・・私は感動した・・・。

 

SUPER VOYAGER!も非常に楽しかったです!

プロローグのマリン調で統一された衣装、振り付けが可愛すぎて、初日映像でびっくりしました!

泣き虫プリンセスの再来、腰グイ、壁ドンなど、Twitterでは「野口先生絶対ビール飲みながら歌詞書いたでしょ」的なことまで言われていた迷歌詞の誕生も印象的です(笑)

星から組替えしてきた綾凰華くんのお披露目といわんばかりのロケットも見所。

月・星を多く観劇する私にとって、あーさ・あやなちゃんの組替えはドキドキだったので、盛大に迎え入れて貰えて嬉しかったです。

年度賞で団体賞を受賞した「Ocean~海に浮かぶ月~」も素晴らしかった!

核となる3人のスター男役のダンス力にも舌を巻きましたが、こんなに踊れる娘役がたくさんいたのかー!!と感動。あゆみさんやひーこさんのことは存じておりましたが、他の娘役さんたちも素敵のなんのって。

しかし個人的に一番の収穫は鳳華はるなくん!全員がこれでもかと踊りまくる中、黄緑スーツの彼が一際元気いっぱい全身で踊っていて、眩しかったです。

中詰の永久輝せあの美脚もなかなか衝撃でした。これ以上痩せないでくれ…。

沙央くらまさんの退団公演でもあり、一曲銀橋で歌われましたが、これも神々しかったですね…。あの滑らかな声を最後に堪能できて幸せでした。

トップお披露目だというのに、過去作の映像まで使っての振り返りは少しやりすぎとも思いましたが(笑)、野口先生がまただいもんのショーを演出出来る保証もないわけですから、出し惜しみは禁物ですもんね。

長くなるので書きませんがどのシーンも楽しく、更にだいきほの歌唱で多幸感が上乗せされる、とてもハッピーになれるショーでした。

お芝居の衝撃が凄まじかったのですが、ショーも相当好きな作品です。

 

WEST SIDE STORY

宙組 東京国際フォーラム ホールC:2018年1月12日(金)~1月25日(木)

未観劇。

映像化されないことを知ってからチケットを取ろうかと迷いましたが、そんな生半可な気持ちで取れるチケットではありませんでした・・・

カニュでの短い映像と評判から、どうやら和希そらアニータが素晴らしかったということは知りました。観たかったなぁ・・・

 

『不滅の棘(とげ)』

宙組 梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ:2018年1月7日(日)~1月15日(月)
   日本青年館ホール:2018年1月23日(火)~1月29日(月)

未観劇。

カニュ映像で見た、愛ちゃんが口紅をビャッてしてるシーンがどうにも印象的です。

 

うたかたの恋

『Bouquet de TAKARAZUKA(ブーケ ド タカラヅカ)』

星組 中日劇場:2018年2月2日(金)~2月25日(日)

未観劇。なんで観に行かなかったんだ私は・・・。

遠征する目的としては七海ひろきなのですが、ジャンは二枚目すぎてそれほど面白みのある役とは思えなかったのと、ひかりふると時期が被っていたのもあり…最後まで迷った結果遠征を見送ってしまったのです。

ところがどっこい七海ひろきという役者の役作り力を忘れていた。

Twitterで呟かれる熱演の模様に見たさが爆発するが、すぐ有給を取れる状況でもない会社員に後悔の波が押し寄せるのであった。ああ無念。

あーちゃんのマリーもこれでもかという程可愛かったようですね。

来月のスカステ放映が楽しみです。。

 

ドクトル・ジバゴ

星組 梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ:2018年2月4日(日)~2月13日(火)
   TBS赤坂ACTシアター:2018年2月20日(火)~2月26日(月)

未観劇。

事前情報でピンと来ず、開幕してから行きたくなるも、赤坂ACT上演期間中に行ける日がありませんでした。。

カニュ映像では、轟さん主演舞台の二番手として大きな役割を担った瀬央ゆりあの熱演と、天寿光希のヤバいオジさまが印象的です。

みっきー、昔は子役がたくさん回ってきて…的なエピソード嘘でしょ?と思い始めたのもこの頃。

 

ポーの一族

花組 宝塚大劇場:2018年1月1日(月)~2月5日(月)
   東京宝塚劇場:2018年2月16日(金)~3月25日(日)

ムラで1回、東宝で1回観劇。

なんとムラで1階1列(端だけど)、東宝もSS席のチケットが当たったという謎の強運が訪れた公演。

とにかく、美という美を浴びた・・・・・・。

明日海りおエドガー、華優希メリーベル、仙名彩世シーラの美しさが特に印象的です。

明日海エドガーや華メリーベルは人間時代は本当に可愛らしく、しかしバンパネラとなって銀橋を歩いてきたときは「なんでお人形さんが動いてるんだろう…?」と素で感じました。。

仙名彩世シーラは、結婚前のまだ清楚とも呼べる娘から、その場にいる全ての人間の目を引いてしまう華やかさ、艷やかさをまとったバンパネラの女性への変化が見事。

衣装も驚くほど美しく、それを優雅に着こなすゆきちゃんはさすがでした。

また、あの世界観を具現化したこと自体が素晴らしいと、今しみじみ思います。

宝塚の誇る裏方スタッフの皆さん、小池先生の手腕、明日海りおを筆頭とする花組子たちが身に染み込ませた美しさがなければ、到底あの世界を作ることはできなかったでしょう。

ただ女性おたくのバイブル的な作品であるため、お話自体は好きな系統でありながら、目新しさを感じられなかったのは残念。これは私がおたくであるゆえです(笑)

 

また、私はこの頃から水美舞斗が気になりはじめます。婚約式のバイク・ブラウン素敵だったな・・・。

 

 

義経妖狐夢幻桜(よしつねようこむげんざくら)』

雪組 宝塚バウホール:2018年3月29日(木)~4月9日(月)

未観劇。遠征するか迷いましたが、この頃にちゃぴのバウ主演が決まったんだったかな…?それに行きたくて見送った気がします。(まぁ結局チケット取れなかったんですけど)

録画したので早く見たいんですがまだ見れていない・・・。多分私は好きだろうなと思っています。

 

『誠の群像』-新選組流亡記-

『SUPER VOYAGER!』-希望の海へ-

雪組 全国ツアー:2018年3月23日(金)~4月15日(日)

未観劇。

そもそも不勉強なのですが、新選組の美学的なものがよく分かっておらず…。過去上演も含めて誠の群像は観たことがありません。いつか分かるようになりたい。

ショーは、タカニュ映像で見たマスゲームのシーンが編曲されていて、すごく良いなぁ~!と思ったのが印象的です。

 

『カンパニー -努力(レッスン)、情熱(パッション)、そして仲間たち(カンパニー)-』

『BADDY(バッディ)-悪党(ヤツ)は月からやって来る-』

月組 宝塚大劇場:2018年2月9日(金)~3月12日(月)
   東京宝塚劇場:2018年3月30日(金)~5月6日(日)

ライビュ合わせて5,6回ほど観劇。

カンパニーはネット上ではあまり評判が良くなかった印象ですが、私は楽しめました。

まぁ会話や展開に多少違和感があったり、何故その台詞言わせた?と思ったりした箇所はありましたが。

あと原作を読んで私が大変萌えた高野と瀬川の関係性が、どうにもステレオタイプに落とし込まれてしまった(突然の名前呼びとか)のは残念でした!でも瀬川の描写を減らしてるから仕方ないのかな…。原作未読の方いらっしゃったら是非読んでください!!

余談ですが、ネットでの叩きで一番腹がたったのは、「原作では瀬川がユイユイなどと呼ばれたことは一度もなかった。何故石田氏はそのようなキャラではない瀬川にそんな呼称を付けたのか」みたいなことを結構名の知れた(?)ブロガーの方が書いてらっしゃったことです。いや原作でその呼称あったから!!それもさらっと書かれただけじゃなく、瀬川がその呼称やそういう扱いを受けることを快く思っていない描写もあったから!!それも見落とす程度の原作の読み込みで、仕事として脚本を書き上げた人を貶すのはやめてくれと思いました本当に…。

あれはフラッシュモブじゃないでしょ、という突っ込みも多かったですが、「宣伝用にフラッシュモブを使った」のであれで良いんじゃないでしょうか。私も仕事でフラッシュモブやったことある(CM用の撮影)けど、さっきまで普通にお祭りを楽しんでた人たちが突然踊りだした!という時点でフラッシュモブだと思うよ…?まぁこれはお祭り会場でやっているわけなので、周りで驚く人をたくさん居させた方が分かりやすかったのかなとは思いますが。

余談が長くなりましたが、とにかく珠城りょうのサラリーマンのハマりっぷりが面白いほどでした!他のトップさんではこうはならなかっただろうと思います。

月組子の地に足着いたお芝居もさすがで、社食食べながら人事の話したり、わたあめやりんごあめにテンション上がってたり、綾月せり社長がダンスに遅れながら頑張ってついていってたり(ツボ)、現実生活の「あるある」なことが宝塚の舞台上で起こっているのが楽しかったです。

また、純粋にバレエダンサーの仕事だけで生きているのは、実は高野と紗良の二人だけなんですよね。その二人を演じる美弥るりかと早乙女わかばが、サラリーマンとは180度違う世界に生きている人間の佇まいを持っていてくれたからこそ、よりコントラストが生まれたのだと思います。

配信されていないのですが、ちゃぴがコンビニ店員姿で歌う、「決まっていない自分の未来~♪」という歌がとても好きで、毎回涙が出てしまいました。

 

そしてBADDY。これはね、今も彼らが脳内に住んでいる感じです。

あらすじ発表、スチール写真公開あたりまでは大きな期待と少々の不安がありましたが、ムラ初日、タカニュ初日映像まで来ると期待満々。

そして遂に迎えたマイ初日は、もう本っ当に楽しくて夢の国なんてなんぼのもんじゃい!!!という感じでした(ごめんね夢の国も好きだよ)

あれもこれも規制していったら最後は一体どうなるんだろうとか、究極の平和な世界ってなんだろうとか、たぶん多くの人が一度は考えるんじゃないかと思うんです。

それをコミカルに、しかしキッパリと書き上げた上田先生はやっぱり好きだなぁと思いました。

ショーって「ここでこれやってみようか」みたいに作っていく場合が多いと思うんですが(それが悪いということではないです)、この作品はショーの型にストーリーを詰め込んだぜ!といった様相で、お芝居好きの私としては二度お芝居を見たかのような満足感もありました。

舞台転換、音楽の入りや選曲、演者の入り捌けの流れなどの演出面もんん?と引っかかることが無く、むしろ「ここアガるんだよね~!」という箇所ばかりでした。

 

どのキャラクターも秀逸で書ききれないので3人(組)だけ!

まずスイートハート美弥るりか。彼女でなければ生まれなかったキャラクターでしょう。簡潔に言うと、本当にありがとうございました。

そしてクール宇月颯&王女早乙女わかば。裏で進む二人の物語、最高にツボで目が離せませんでした。

としさんの退団は衝撃で、未だになんでそんな早くやめちゃったの…と思います(未練がましい)。最後に素晴らしくカッコいい男役ダンスを堪能し、更に恋愛模様まで見られたのは本当に良かったです。上田先生ありがとう。

わかばちゃんは、ありちゃんの姉かと思いきや妹?のようで、しかし違和感のない可愛らしさ。どの衣装も可愛らしく、プリンセス感が抜群でした。

最後はトロールバードさんたち。夏月都さん、白雪さち花さんというお姉さまがたに加え、この公演から娘役デビューの天紫珠李ちゃん。冒頭、彼女たちが銀橋でトゥートゥー歌い始めた時点で「この舞台、勝ったな…」と思いました。

雑誌のさち花さんインタビューで知りましたが、この3匹が和音のように喋ったり歌ったりするのは、上田先生ではなくさち花さんたちがアイデアを出したんだとか。なんだか不思議で平和なこの世界を示すのに、素晴らしく効果的な演出だったと思います。

 

この作品は完璧!!と言いたいくらいですが、たぶん「比較対象がない」からそう思う面もあるのではないかなと。

ノバボサや、マンハッタン不夜城なんかも芝居仕立てのショーではありますが、プロローグからパレードまで通し役というのは初めて見ましたし、何より毛色が違いすぎて…笑

これが「新しい作品」ということなんだなぁと思います。

上田先生には是非またショーを書いて欲しいですし、また「新しい作品」を書ける演出家さんが出てきてくれたらいいなと思います。

最後に、、今からでもいいのでBADDYの台本売ってくれませんか・・・。

 

長くなるので一旦切ります!年内に書き終わらない気がしてきたゾ!