ひのひなどりから

主に宝塚について。それ以外のことも書くかもしれません。

「ちゃぴ」こと愛希れいかさん退団に寄せて

愛希れいかさんが退団されて、一週間が経とうとしています。

既にCHIHARUさん、みりおんとのトークショーの開催もお知らせされました。

こちらが退団後初仕事になるのかな?

yomi.otemachi-hall.com

ちゃぴなら引く手数多でしょうから、いきなり事務所所属のお知らせとか帝劇ミュージカル出演発表が来るのも有り得ると思っていましたが、

なにせ6年もトップ娘役として頑張ってこられたので、少し休憩して、外の世界を楽しんで欲しいですね^^

 

さて、私はちゃぴの舞台がとても好きですが、それと別の思い入れもありました。

まずひとつは、私が自らの意思で足を運んだ最初の公演のトップ娘役だったこと。

母の影響で物心つく前から宝塚に親しんでいましたが、子供の頃は「自分でチケットを買う」という発想がなく、あくまで家でよくビデオが流れていて、年に1,2回劇場に連れて行ってもらえるもの、という認識でした。

高校生のあたりから忙しくなって宝塚を観ることもほとんど無くなりましたが、

社会人になって時間が出来て、ふとしたきっかけで、そういえば宝塚って面白かったよね…?と思っていた頃がちょうど100周年。

今年は面白そうな演目がいっぱいあるよ!とまず連れて行ってもらったのが「宝塚をどり」をはじめとする三部作でした。

どれも楽しかったですが、印象深かったのは「宝塚をどり」でちゃぴが牡丹の衣装を着て出てきた時。(あれ観ていた当時蓮だと思ってたんですが、牡丹だったんですね^^;)

本当に美しくて天女様みたい!と思いましたし、

「花詩集100!!」でもトップ娘役の人スタイル良すぎない!?と思ったことを覚えています。

 

そしてふたつめは、「エクスカリバーシトラスの風」が初観劇作品で、大好きで思い入れがあるというのが私と共通していること。

(正確には私はビデオでの観劇なのですが、初めてしっかり最初から最後まで観た作品がこれでした。)

シトラスはともかく、エクスカリバーってあまり話題に上っているのを見かけないんですよ。

宙組20周年で再演されないかちょっと期待していましたが、シトラスだけでしたし。

まさに「童話」そのままのようなお話で、大人から見れば単純すぎてつまらない話だったかもしれません。

でも、子供からすると背伸びせず、素直に楽しめる作品だったんですよね。

 

そして大人になってからうわぁ、懐かしい~!と見返した時、

ジェームズ、ロザラインの王道中の王道のようなヒーロー・ヒロインらしさ、

美しく優しい音楽、最後は悪者も一緒に笑顔で歌って終わるあたたかい物語・・・

そういったものが懐かしさとともに心に沁みて、

私は本当に良いものを子供の頃に見せてもらったな…と思ったものです。

シトラスの風も、さわやかで宝塚らしいロマンチック・レビュー。

花總まりさんのとっても可愛らしい花占いのシーンもあれば、現代社会への問題提起、人の愚かさや悲しみを投げかけるシーンもあり…

でも最後は、前向きに生きて行こう!というエネルギーに溢れた作品でした。

 

どの媒体でだったか忘れてしまいましたが、ちゃぴはこれらの作品について

「宝塚を愛する気持ちの原点」

「辛いことがあっても、この作品を見返すと宝塚が好き、という初心を思い出して頑張ろうと思える」

というようなことを話していました。

私はちゃぴと大体同年代のはずなんですが、

子供時代、同じ作品で宝塚に憧れた同年代の女の子が、

宝塚に入団してこんなすごい舞台人になったんだ…!と、私は何の関係もないんですが(笑)誇らしく思ってしまいます。

 

「グランドホテル」で”Bonjour,Amour”を観たときは、それまで宝塚の舞台を見てきた中でも一番の感動でした。

涙は勝手に出てくるし、鳥肌は立ちっぱなし。

立ち見でもエネルギーがぶわぁっと伝わってきて、今、私は素晴らしいものを見ている…!!と肌で感じました。

「All for One」の”もし私が女の子なら”、「カンパニー」でコンビニ店員姿で銀橋で歌うナンバーも、泣けるシーンではないのに何故か涙が滲んできました。

ちゃぴの笑顔は本当に可愛くて、演じる人物の前向きなエネルギーは眩しくてきらきらしていて・・・なんというか、「理想の女の子」なんですよね。

別に自分が嫌いなわけではないですが(笑)、あんな風に全身で感情を表して精一杯生きている姿を見ると、憧れや愛しさを覚えました。

 

花總まりさんは今では伝説の娘役とも呼ばれ、ちゃぴをはじめたくさんの下級生から憧れの対象として名前が挙がります。

そしてちゃぴも、理事長いわく「音楽学校で憧れの上級生として最も名前の挙がる生徒の一人」とのこと。

二人とも「理想の娘役」かもしれませんが、

總ちゃんが「娘役の理想の様式美」を体現した存在ならば、

ちゃぴは「等身大の女性の理想」を娘役として体現してくれたのではないかと思います。

(もちろんお二人ともどちらの面も持ち合わせていらっしゃいますが!)

 

宝塚の世界から飛び立ったちゃぴは、どういった道を歩むのでしょうか。

彼女の実力とガッツがあればどんな世界でも大丈夫だろうと思いつつ、

気負いすぎのきらいもあるようなので、やっぱり心配してしまうファン心。

 

今後の彼女の人生にエールを贈りつつ、

私も負けないように頑張って生きようと思います。

 

ちゃぴ、たくさんの素晴らしい舞台と、素敵な笑顔をありがとう!!