ひのひなどりから

主に宝塚について。それ以外のことも書くかもしれません。

宝塚歌劇の生徒さんの好きなところを本能のままに書く(雪組編Part1<望海風斗・真彩希帆>)

現在トップコンビ退団公演中の雪組さん。
先日fff・シルクロード・サヨナラショーをLIVE配信で拝見し、大感動でございました。

ワンスで諏訪さきさんが気になりだし、NOW ZOOM MEで雪組熱が一気に高まったこともあり、今の私の脳内は雪組祭です。
部屋に2つあるアクリルフレームには、どちらもだいきほのポストカードが飾ってあります。(何の告白?)

ということで雪組編を書いていましたが、
トップコンビだけでえらく長く語ってしまったので、
今回はPart1ということでお二人のみ。

 

望海風斗

体の中に活火山でも飼ってるのか???と思うくらい無尽蔵の力を感じる。
昔は望海風斗=パッション!!!と思ってたんですが、もうパッションの域を超えている気がします。

そして、エネルギーを蓄えているというより、エネルギーが上手く循環してるという表現がしっくり来る感じ。

歌う姿を見ていて特に思うんですが、
周りの空気を吸い込んでは、自分のエネルギーに換えて出す、みたいな・・・。
物理的には呼吸が上手くいってるってことだと思うんですが、
酸素だけじゃなく、漂う”気”みたいなものも取り込んでるように見えるんですよね。抽象的ですけど。

確かひかふる(ファントムかも?)の時に仰っていた、
「歌うのにすごくエネルギーが必要だけど、歌えば歌うほど元気になる」
という旨の話も、そういうことなのかなと思います。

 

fffのパンフレットで菅野よう子先生が「声に共振の力がある」と述べられていたのもすごくしっくり来ました。
声の届く空間すべてが震わされて一体化しているような。
何故か、だいもんの歌を聴いていると自分もあんな風に歌えるような気がしてくるんですよね、そんなはず無いんですけどw
確かあやなちゃんも同じようなことを言っていたので(笑)、
まさに彼女が周りを「共振」させている結果、聞いている側はそう感じるのかもしれないです。

 

歌はずっと評価されていますが、トップになってから明らかに表現力が進化しているのがまた凄い。
さり気ない声色の変化や、発音の美しさに心奪われるんですよね。。
花組時代の映像を見返しても文句なしに上手いし魅力もあるんですが、
それでも今のだいもんと比べたら全然”普通”だな…と感じちゃったりする(特にショー)。

その進化も、端々に感じられる音楽に対してのピュアで真摯な姿勢ゆえなのかなと。
周りからこれだけ評価されていながら、自分の音楽街道まっしぐらという感じは一切なく、
どんどん新しいことを学んで、表現の自由度を広げている印象を受けます。
これは各方面の作曲家の皆様とコラボしたり、毎公演歌唱指導の先生が付くようになった(昔はついてなかったと聞いたような。)お陰もあると思うので、劇団にも感謝です。

 

そして歌のない芝居でも、発するエネルギーが凄くて。
パッと浮かぶのは、

ドン・ジュアンが最初に発する高笑い、石のような心をマリアに砕かれる瞬間、
舞台下手で泣き崩れるマクシム、
クリスティーヌに顔を見せ、逃げ去られて泣き崩れるまでのエリック、
常にエネルギー満タンのオスカーおじさん、
薔薇を投げ散らすヌードルス

オスカーおじさんだけ浮いてるな…w
他にもまだまだ、幾度となく彼女のエネルギーに圧倒されました。

発散する芝居はもちろん、内側にグッと抑えている時の、
心臓が潰れそうなくらい苦しいんだろうな、という様子は見ていて本当に堪らなくて、こちらも一緒に苦しくなります。

強い意思を持つ役柄では、佇んでいるだけで心の重みが感じられるからこそ、
どれだけ叫んだり暴れたりしても不自然じゃない
んですよね。
特にヌードルス役ではその素晴らしさが遺憾なく発揮されていました。

 

あと泣きの演技が巧い
マクシムやエリックの時は、本当に泣いてる?とオペラを覗き込んだけど泣いてないというのを毎回やった気がしますw
本当~に可哀想で可哀想で・・・ふかふかのお布団で包んであげたい。。

 

そして少なからず計算して芝居を作ってるはずですが、
多分、彼女の中でも計算外に感情が行き過ぎてしまうことがあるんじゃないかと感じます。それが好き。

コップに水を注ぐ作業に例えると、
完全に計算された芝居は常に表面張力ぎりぎりで止まるところを、
だいもんはたま~に水がこぼれちゃう、みたいな。
でもそこに役の人間らしさが感じられるし、舞台ってナマモノだなと感じられるんですよね。

 

ケイレブのジムみたいな普通~の、若干ポケッとした役も好き。
こういう役ももっと見てみたかったですが、如何せん見たい役が多すぎた。。

 

突然細かい話になりますが、彼女の伏し目が好き。
目元もだし、伏し目だとあの美しい鼻筋が更に引き立つ感じがする。
色気ある伏し目も好きだし、NZMの弾き語りでの優しい表情もたまらない。

表情で言うと、正体を明かした謎の女を見つめるルートヴィヒの表情が、
本当に慈しみそのものすぎて、人間ってこんな表情出来るんだ…と思いました。

あと、アル・カポネでは壮年期(?)の時に表情筋で顔を作ってるというか。
最初、刑務所内のシーンで出てきた時は「だいもんいつもと顔違うやん!?」と衝撃でした。

 

ショーにおいても、格好良さと同時に
「舞台に立ってるの楽しい!男役できるの嬉しい!」という気持ちが
まるで下級生を見ているかのようにダイレクトに感じられて、こちらも見ていて楽しくなる。

特にガトボニは全編彼女のパッションに支配されたかのようなショーで、
プロローグで咲ちゃんが歌う歌詞そのまんまだな、と最近気付きました。

ショーでの掛け声も好き。
スカステのリクエストスター名場面(だっけ?)での
掛け声ダイジェスト、すっごく楽しかったです(笑)
アドリブにおいて、最終的にはあのええ声での雄叫びでオチがつけられるという力技感も好きw

 

オフでは、気取らないというか、気取れない人なのかなという印象があります。
個人的にカフェブレのズカキュンみたいなリアル彼氏ネタはあまり求めてないので(それを演って照れてるジェンヌさんを見るのは好きだが)、
そういったものに意地でも乗っからないだいもんに、内心いいぞいいぞ!と思ってました(笑)
いや乗っかる人が嫌いとかでは全然ないんですけど(何せ私は七海さんファンである)、宝塚がそういうものだと思われたら嫌だな~と若干モヤッとしてしまう…。

結構な学年差の下級生の前でも思いっきりおふざけしてたり(笑)、
組の中で伸び伸びやってるんだな~というのも安心感があります。

そしてあれだけ歌の実力や知見を持ちながらも、
歌が苦手と言われているタニさんの大ファン、というのもめちゃくちゃ宝塚的感覚の持ち主だなと思っていて、そこにも安心感。
そういう人がタカラジェンヌに向いているんだろうと思います。
何せ大成功した宝塚オタク(byまっちー)ですからね。。

最後の最後まで、宝塚へのピュアな情熱を舞台に注ぐことが出来るよう、私は祈るのみです。

 

真彩希帆

トップ娘役に就任してから、歌・ダンス・芝居・美しさ等々、
全てにおいて成長しているのが凄い。
一人の女性としての成長を尊敬してしまう。

主演したミュージックサロンは、もう家で一人ではしゃいだり笑ったり泣いたりしてしまったくらい本当に素晴らしかったです。
まだ研9、男役だったらやっと一人前になる手前くらいの舞台歴で、
こんなに素敵なエンターテイメントを魅せられる、というのは凄いとしか言いようがない。
宝塚に入ってくれてありがとうございます。

 

細いのによく通る、不思議な声。
細いと言っても”か細い”というのではなくて、
針に糸を通すような繊細さというか…。
きぃちゃんの歌声は、未だにどう表現したら良いのか分かりません。
初めて聴いたときは、あの声色でピアニッシモで歌えるのが不思議でならなかったです。

ガラスに太陽の光が当たってキラキラしているような声
というのが今のところ一番近い感覚かなぁ…。

 

だいもんと同じく音楽に対してピュアで、ただただ歌うことが好きだからこそ、
ここまで歌で表現できるようになるんだろうなぁと。
彼女の歌も、ちょっとした声色の変化、発音の美しさに惹き付けられます。

好きな歌は山程あって挙げきれませんが、
個人的にシャロンのテーマ」の、自由で知的で、どこか謎めいた女性らしい雰囲気が大好きで、これからもずっと彼女の歌として印象に残ると思います。
先日サヨナラショーでも歌われていて嬉しかったです。
あと、ミュサロで歌っていた「Dancing In The Dark」「私の心は」も大好き。
大人っぽい役を数多く演じてきただけあって、ムードのある曲が本当に素敵。
「Dancing~」はだいもんとのデュエットダンス曲でもありますが、がっつりデュエットで歌うのも聴いてみたい!
作詞された「My Everlasting Dream」も素敵でしたね…泣くよこんなの…。

ファントムは、「雲雀のように響き渡る天使の声」に説得力がありすぎました。
農場育ちの素朴な娘の歌から、初々しくも素晴らしい歌手に育ってからの歌、
そしてエリックの為だけに歌う愛の歌・・・と、
その時々のクリスティーヌの歌として成立していて、こちらもエリックと一緒に心打たれてしまう感覚でした。

 

ダンスもカッコよくて綺麗で好き!
ご本人も語っていますが、やっぱりガトボニからぐっと魅力的になった印象です。
特にパワフルな振りのダンスが好き。

彼女は割と肩が真っ直ぐで、肩幅もどちらかというと広い方かなと思うんですが、
それを肩のラインが見える衣装で綺麗~に見せているのが素敵で、大人っぽい魅力を際立たせている気がします。
私も真っ直ぐで幅広な肩なので憧れます…まぁそんなドレッシーな服着る機会ないですけど(笑)

デュエットダンスでは肩のラインが見える衣装が多いので、そういったビジュアル込みで好き。

 

お芝居では、ファントムの「私の真の愛」の直後、客席の心が一つになると名高い(?)あのシーン。
今まではまさしくクリスティーヌお前ェ…という印象だったんですが、
きぃちゃんのクリスティーヌは、エリックの顔が恐ろしくて逃げたというより、
顔を見たことで初めて彼の絶望を悟り、救いを求めるように向かってくる彼を受け止めきれなかった、という心が見えて、このシーンの印象が変わりました。
エリックを笑顔のまま見つめ、ベンチにぶつかって初めて自分が後ずさっていたことに気付き、弾かれたように逃げ出す…という一連の流れが、
見てる側としても長い時間に感じられたし、クリスティーヌにとってもそうだったのではないかと。

「20世紀号に乗って」のリリーは、ほんっとうにパワフルで強くて可愛くて面白くて!数々の大ナンバーでは、ショーでの”太陽の女S”みたいなきぃちゃんの輝きが舞台いっぱいに放たれていて、素晴らしかったです。
かなり長いナンバーもありましたが、このままずっと聴いていたい・・・と思いながら聴いてました。

ワンスでは、様々な年齢を演じ分けるだけでなく、
どの年代のデボラもそれぞれに魅力的に見えたのが素敵だったなぁと。
子供時代から少し大人びていて、でも年相応の少女らしい可愛らしさもあり、
ヌードルスからもマックスからも惚れられることに納得でした。

 

インタビューや番組等々での明るい雰囲気、きちんと喋れるところも見ていて気持ち良いです。
遠慮しすぎずに話せている様子を見ると、良い意味で自信を持てている印象を受けて安心できるんですよね。

元々明るくキラキラした魅力を持っていましたが、経験を積んで
自信が持てているゆえの内側からの煌めきが増しているように感じます。

 

キラキラと言えば、目元をふっと緩めるようなきぃちゃんの表情、めっちゃくちゃ可愛いですよね…。
今思えば、SUPER VOYAGER!冒頭のご令嬢きぃちゃんのあの笑顔を見て、
彼女に落ちたと言っても過言ではないなと思います。可愛かった…。

 

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こんなに語りたいことがあったんだなと自分でもびっくりしました。。(これでもだいぶ削った)

このお二人のトップ就任当初は、その実力から
「それぞれが独立して輝けるトップコンビになるだろう」という空気感がファンの間でもあった気がしますが、
その通りになっただけでなく、コンビ人気が予想以上に高まったように感じます。

特に退団に向けて、劇団側もコンビ供給してくれているというか(笑)
デュエットCD楽しみですね!!

ファントムとかMusic is My Lifeの歌詞とか、これぞエモいというやつですよね。。
fffでも男女の恋愛ではなく、「運命の恋人」という関係性がこの二人にぴったりで。
音楽が二人を繋ぎ、こうして素晴らしい音楽を生んできてくれたことに感謝しかありません。
ありがとう、だいきほ。

最後の最後まで二人の音楽、舞台を楽しみ尽くしたいと思います。